「俺は、闘う理由なんてねぇよ」
『か、一葵!』
俺は正直に答えた。
ここで嘘をいっても仕方がないことだ。
『……』
ラースは表情を変えずにただ俺を見てくる。
「俺にも姉貴や弟、それに親父もおふくろもいる。だけど、守りたいと思ったことは一度もねぇ」
俺は昔のことを思い出し苛つく。
「それは、俺じゃなくても誰かが守ってくれるだろうと思っていたからだ」
俺なんかよりも姉貴の方が喧嘩が出来る。
勉強だって姉貴の方が得意だ。
いざとなれば姉貴が家族みんなを守ってくれるだろう。
『じゃあ、お前は誰かがやってくれる。なら、俺は守る必要はないと、そう思っているのか?』
「そんなことは思ってねぇよ」
『いや、お前の言葉からして、私にはそう思うぞ』
知ったようなことを言うやつだ。
だけど、よくよく考えてみたらそうなのかもしれない。
未来や愛斗が他の悪ガキ共にいじめられている時、俺はただそれを眺めていただけだった。
どうせ奏佑か雪菜が助けるだろう、俺は何もしなくてもいいや。
小さかった俺は、助ける前からそんなことを決めつけていた。
俺じゃなくても誰かがやってくれる。
なら俺は別にいい。
俺は握りしめていた拳を緩める。
「なんだよそれ……」
いざ自覚してみると俺ってかっこわりぃな。
そんな俺を見たクロアが俺の頬を抓る。
「いてててて!」
『なにしけた面してんだよばーか!』
「はぁ?!いきなり抓っておいて何言いやがる!」
『一つ聞くぞ馬鹿一葵、お前は今まで誰かがやってくれる、なら俺は別にいいって生きてきたかもしれないけど!』
クロアの顔が近くなる。
『じゃあ、なんでお前はそんなに喧嘩強いんだよ!』
「うっ!」
小さい頃の記憶が俺の脳裏を横切る。
「こらぁ一葵!」
「うわぁ!」
姉貴の楓が俺を投げ飛ばし胸ぐらを掴む。
「お前の本気は、そんなもんか!」
「くっ……」
姉貴に投げ飛ばされ体の節々が痛む。
柔道を習っている姉貴に、本気でかかっていったところで俺が勝てるわけがない。
「お前言ったよな?もう見てるのは嫌だって!」
俺は瞳に涙を浮かべて姉貴に言い返す。
『か、一葵!』
俺は正直に答えた。
ここで嘘をいっても仕方がないことだ。
『……』
ラースは表情を変えずにただ俺を見てくる。
「俺にも姉貴や弟、それに親父もおふくろもいる。だけど、守りたいと思ったことは一度もねぇ」
俺は昔のことを思い出し苛つく。
「それは、俺じゃなくても誰かが守ってくれるだろうと思っていたからだ」
俺なんかよりも姉貴の方が喧嘩が出来る。
勉強だって姉貴の方が得意だ。
いざとなれば姉貴が家族みんなを守ってくれるだろう。
『じゃあ、お前は誰かがやってくれる。なら、俺は守る必要はないと、そう思っているのか?』
「そんなことは思ってねぇよ」
『いや、お前の言葉からして、私にはそう思うぞ』
知ったようなことを言うやつだ。
だけど、よくよく考えてみたらそうなのかもしれない。
未来や愛斗が他の悪ガキ共にいじめられている時、俺はただそれを眺めていただけだった。
どうせ奏佑か雪菜が助けるだろう、俺は何もしなくてもいいや。
小さかった俺は、助ける前からそんなことを決めつけていた。
俺じゃなくても誰かがやってくれる。
なら俺は別にいい。
俺は握りしめていた拳を緩める。
「なんだよそれ……」
いざ自覚してみると俺ってかっこわりぃな。
そんな俺を見たクロアが俺の頬を抓る。
「いてててて!」
『なにしけた面してんだよばーか!』
「はぁ?!いきなり抓っておいて何言いやがる!」
『一つ聞くぞ馬鹿一葵、お前は今まで誰かがやってくれる、なら俺は別にいいって生きてきたかもしれないけど!』
クロアの顔が近くなる。
『じゃあ、なんでお前はそんなに喧嘩強いんだよ!』
「うっ!」
小さい頃の記憶が俺の脳裏を横切る。
「こらぁ一葵!」
「うわぁ!」
姉貴の楓が俺を投げ飛ばし胸ぐらを掴む。
「お前の本気は、そんなもんか!」
「くっ……」
姉貴に投げ飛ばされ体の節々が痛む。
柔道を習っている姉貴に、本気でかかっていったところで俺が勝てるわけがない。
「お前言ったよな?もう見てるのは嫌だって!」
俺は瞳に涙を浮かべて姉貴に言い返す。



