fairy3 空の物語 上

「うわぁ!」

『一葵!』

ラースは鞭の長さを調節して、俺の体を自分へと近づける。

『なら、リンクするのに必要なものはなんだ』

「なんでそれをテメェなんかに言わないといけないんだよ!」

俺は拳に力を込めてラースの顔を殴ろうとする。

しかしラースは、俺の拳を簡単に受け止める。

「なっ!」

『弱いな。それでも、お前は守護妖精を持つ人間なのか?』

「うるせぇなぁ!リンク出来たらお前なんて簡単に倒せるんだよ!」

『ほぉ……』

ラースは俺の足から鞭を離す。

「うわぁ!」

俺の体は地面へと落下する。

「さっきから、なんなんだよ……」

今日は何回地面に転べばいいんだ。

俺は、立ち上がりラースを睨みつける。

「なんで離した?」

クロアは俺の隣に来る。

『一つ聞きたいことがある』

「なんだよ……」

俺たちの間を風が通り抜けていく。

『お前は、何の為に闘う?』

「はぁ?なんだよその質問」

なんでこいつに、そんなことを聞かれないといけないんだ。

『私は、妹と弟たちを守るためだ』

「妹と弟?」

そういや、七つの大罪はみんな兄弟姉妹なんだっけ?

『その中でも、エンヴィーとプライドとラストは、一番下のスロウスと比べればまだ幼い』

「だから、その三人を守るために闘うのかよ?」

『あぁ』

ラースの瞳はまっすぐ俺を見ていた。

どうやら嘘ではないようだ。

『もう一度聞く、お前は何のために闘う?』

「……チッ」

正直、答えるのがめんどくさかった。

俺には、最初から闘う理由なんてものは存在しない。