fairy3 空の物語 上

それは、私が公園で転んで泣いている時の記憶だった。

「痛いよぉ……!」

転んだせいで膝からは血が出ていて、私はただひたすら泣いていた。

でも、そんな私に手を差し伸べてくれた人がいた。

「まったく、大丈夫か未来?」

「そ、奏佑……」

私に手を差し伸べてくれたのは、いつも奏佑だった。

「あーあ、膝擦りむいてる」

奏佑はポケットから絆創膏を取り出して、私の膝にはってくれた。

「これでよし、立てるか?」

「うん……」

私は奏佑の手を掴んで立ち上がる。

「俺は、未来が倒れたら手を差し伸べてあげる」

「奏佑……」

奏佑は私の手を引いてゆっくりと歩き出す。

「それに俺じゃなくても、雪菜や愛斗、未来の周りには俺たちがいるから」

その言葉で私はようやく決心がついた。

「私は、一人じゃない……」

私の周りにはみんながいる。

私が倒れた時は、みんなが手を差し伸べてくれる。

でも、いつまでも甘えてなんていられない。

ローザは言ってくれた。

みんなと同じにならなくてもいいと。

なら私は少しずつ強くなっていけばいい。

みんなを守れるように強く……。

今度は私がみんなに手を差し伸べてあげられるように。