fairy3 空の物語 上

なんで闘えると思ったんだろう。

こんなこと私には無理だ。

『さぁて、どう調理してやろうか?』

グラトニーは私の前に来て斧を構える。

『未来は、殺らせないわよ』

「ろ、ローザ……」

ローザが私の前に来る。

『んじゃあ、まずお前が死ぬか?』

『上等!』

駄目だよローザ、私なんかの為に死んじゃ……。

『お望み通り、お前から!』

「だめー!」

その時、とっさに私の体が動いた。

私は、立ち上がりグラトニーに突進する。

『ぬわぁ!』

大きな斧の重さによってグラトニーは後ろへと倒れる。

「ローザこっち!」

『み、未来?!』

私は、ローザを連れてグラトニーから離れる。

『くっそぉ、あの小娘…!』

私は近くの公園の茂みの中に隠れた。

『ここなら暫く大丈夫かしらね……』

「……」

ローザは心配そうに私を見てきた。

私の体はまだ震えている。

「ねぇローザ、これは私たちがやらないといけないことなの?」

『未来……』

「私には無理だよ……」

ずっと奏佑に守られて来た私は、誰かを守ることなんて出来ないんだ。

誰かの後ろで泣いていた私には、こんなこと無理だ。

「もしリンク出来たとしても、私じゃみんなを守れないよ……」

膝の上に一滴の涙が落ちる。

「奏佑……」

そして膝に顔を埋める。

『……未来』

ローザは、優しい声音で私の名前を呼んだ。

『未来はちゃんと守れるよ』

「嘘だ!だって私には力なんて……」

『そんなことないわよ。だってさっき私を守ってくれたじゃない』

「……っ!」

私はゆっくりと顔をあげてローザを見つめる。

『みんなと同じにならなくてもいいのよ』

「でも……、じゃないとみんなを……!」

ローザは頭を左右に振ると微笑んで言ってくれた。

『未来には、未来なりの力がある』

「私……なりの?」

『この闘いは、未来一人のものじゃない。未来が倒れた時は、みんなが未来に手を差し伸べてくれる』

ローザの言葉で小さい時の思い出を思い出す。