fairy3 空の物語 上

【沙羅】

小林君と雨宿りをすることになったけど、今の私は心臓の鼓動がやばいです。


「安藤は、この辺で何か用事でもあったのか?」

「へ、いや……。お、お母さんに買い物を頼まれて」

リンクをするためにここに飛ばされたなんて言えるわけがないよ!

『この調子じゃ、いつまで経っても告白は無理だなあ』

クサンはやれやれという感じで首を左右に振る。

そ、そんな難易度が高い告白なんて出来るわけないじゃない!

「じゃあ、この雨だと買い物は無理そうだな」

「う、うん……」

外で降り続けている雨は、さっきよりも激しくなっていた。

風も強くなってきたしまるで嵐のようだった。

『なんか、おかしい……』

「クサン?」

クサンは、窓の外をじっと見ていた。

『何か変なんだ……』

どうやら上手く言い表せないみたいだ。

「安藤?外に何かあるのか?」

「う、ううん。雨止まないかなって」

そんなことを言い窓の外を見た時、私はある女の子が目に入った。

「あれ?」

こんな雨の中、傘をささずに女の子は歩いていた。

私は立ち上がるとその女の子を追いかけた。

「おい?!安藤!」

『さ、沙羅?!』

クサンも私の後を追いかけて来る。

『一体どうしたんだよ?』

「女の子が歩いてたの!」

『この嵐の中を?!』

私は頷き女の子の姿を探した。

「あ、いた!」

私の目の前に女の子は歩いていた。

「ねぇ、大丈夫?!」

私は女の子の肩に触れる。

「雨が酷いから図書館で雨宿りしない?」

『だ、大丈夫です……』

「でも、このままじゃ風邪引いちゃうし」

もうずぶ濡れになってる私も風邪ひくところだけど。

女の子は寒いのか体を震わせていた。

『あの、大丈夫なので。放っておいてください』

「いや、でも――!」

その時――

ヒュンっと音が私の耳に届いた。

『沙羅!』

私の左横を鎌みたいなものが見える。

私はゆっくりと鎌を見る。

「今……、何が……?」

女の子は鎌を下ろすと笑顔で言った。

『少ししつこかったので、つい苛ついてしまってすみません。私は、嫉妬の妖精のエンヴィーです』

「もしかして、七つの大罪……?」

私の質問にエンヴィーは頷く。