fairy3 空の物語 上

すると、廊下を照らす電球が全て壊されていた。

廊下にはパニック状態の患者たちがたくさんいる。

「陽菜!」

俺は陽菜のいる階へと向かう。

「クレール、まさかこれは!」

『まったく……』

クレールは深く溜め息を吐く。

『まさか、こんなところまで追ってくるとは思ってなかったわ』

「やっぱり……」

これは七つの大罪の仕業だ。

「クレール、奴らの気配はどこからする!」

『上の階よ』

「くそっ!」

上の階には陽菜がいる検査室がある。

もしそこに七つの大罪の奴らが行ったら!

「陽菜、待ってろよ!」

俺はエレベーターの横を通り過ぎ、四階へと続く階段を上る。

階段や踊り場には座り込む患者たちがたくさんいて、看護師や医師たちもあちこち走り回っていた。

「陽菜は、何処に?!」

俺は陽菜を探した。

「陽菜!どこだ!陽菜!!」

「きゃああ!」

すると奥の病室の方で陽菜の叫び声が聞こえた。

「陽菜!」

『待って優空!どの七つの大罪か分からないのに、勝手に動いたら!』

「俺に指図するな!」

『ゆ、優空!』

俺はクレールを置いて陽菜の元へ向かった。

「陽菜!」

「ゆ、優空……!」

『……。なんだ、お前だったのか?』

優空の前には弓を構える男が一人立っていた。

「お前、陽菜に何をしてる!」

「優空、来ちゃ駄目だよ!」

陽菜に止められるが俺は陽菜の前へと駆け寄る。

「お前は、誰だ!」

男は弓を下ろして名の名乗る。

『俺は、傲慢の妖精プライドだ』

俺は陽菜を背後に庇う。