和が言った通り、あたしの見たい恋愛映画を観る事になった。


お客さんの数はまずまずで、内容も面白かった。


和が退屈していないか不安だったけれど、スクリーンに食い入るように映画を観ているのを確認して安心した。


「おもしろかったな」


映画が終わって近くのハンバーガーショップへ行くと、和がそう言った。


「そうだね」


あたしも満足してそう頷く。


「恋愛ものってあまり見ないけど、野乃花と一緒ならまた見に来てもいいかもな」


「あ、ありがとう……」


映画を観てほぐれてきていた緊張がまた舞い戻って来る。


「これ食べたら、次は俺の行きたい場所に行ってもいい?」


ハンバーガーをかじりながら和はいう。


「もちろんだよ」


あたしは笑顔で頷いたのだった。