たまり場から出てきた夏樹の前に立って道を塞ぐ。

 夏樹は特に驚くこともなく、聞いてたと言った。

 夏樹が変だってことは、秋に言われなくても嫌でも目に付いた。

 いつもはあちこち駆けまわってバカみたいに笑ってるのに、あの夏祭りから夏樹が自然に笑うところをそんなに見てない。

 それに、さっきも、今も、秋にわざわざ探すなと伝える夏樹は明らかに変だ。

「お前、何隠してんだよ。バカな癖に」

「バカって、今も関係あるのかよ…。まぁ、バカなのは知ってるけど」

「夏樹、秋を泣かせたらぶちのめすぞ」

「…じゃあ、今やっとくか?」

 なんだよそれ。泣かせるの分かっててどっか行こうとしてんのか。

 …意味が分からない。

 冗談と言いながらも夏樹はやっぱりおかしいままだ。