怒っていたわけではなく、私の反応があまりに酷いからイライラしていたのね。


何だか少し、申し訳なくなる。


確かに私もあの態度はなかったかな、なんて…。



「今だって、お前が幸せそうにラーメン食ってりゃ、すげー嬉しい」


その言葉と同時に真っ直ぐ見詰められて、不覚にもドキッと心臓が跳ねた。




「俺、俺が思ってる以上に、どうしようもないくらいお前に惚れてるのかも」



「〜〜〜っっ」



もうダメだ。


完全にオーバーヒート。


私の顔は真っ赤に違いない。


「なっ…っ…」


口もパクパク。


きっと金魚みたいだ。




だって、こんな事を言われるの初めてだもの。


どう受け止めたらいいのか分からないんだもの。


ただ、確信してしまった。


彼は、少しもからかってはいないのだと。




そして私も。


言うほど彼を拒絶してはいない。




だけど、私に彼と付き合うなんて選択肢はない。



だから私は言うんだ。



「私はあなたなんて大嫌いです」



そう、自分に言い聞かせるように。