まぁ、何か色々と用事が入っていたとも言っていたから今更攻めるつもりもないが、“放置”とか言われると、“あなたには言われたくないわ”と思ってしまうのは致し方ないだろう。



何はともあれ、今この電話の向こうの不良教師は、


「先生はバカなんですか?」


と私に言われても仕方がない事を言っている。


『お前、仮にも教師によくそうもバカバカ言えるよな。俺、お前よりぜってー頭いいし』


「何張り合ってるんですか。私は頭の回転どうこうを言っているんじゃないんです。人間としての常識の話を…」


『あーはいはい。説教は後で聞いてやる。とにかくもう車でお前んちの直ぐそばにいるから。家帰って着替え終わったら連絡しろ。いいか。くれぐれもシカトすんじゃねーぞ』


「ちょ……!」


……切れた。


何であの人はこうも、俺様中心なんだ……。


額を押さえ、はぁと大きな溜息をつく。


そもそも、何で今夜私が一人だと知っているんだ……。




お母さんはお父さんと離婚して新しい職についてから、週に4日は夜勤をしている。