「ちぃ?」
ウサギはあたしの隣りに座っていた。
いきなり声をかけられて、少し驚いた。
「わからないってこと?」
どうやらあたしのつぶやきを聞いていたみたいだ。
聞こえた、のほうが正しいのかもしれないが。
「そうなるな」
「あー、もう……、何この厄介な殺人事件!」
ウサギはわかりやすく頭を抱えた。
しかし、そう簡単に解決したら時効間近まで解決されなかった、などということはないのだ。
「どうする?ちぃ」
「どうするもなにも……」
もうあたしたちには為す術は1つも残されていない。
つまり、どうしようもない。
「結局迷宮入りぃ?そんなの、嫌なんだけど」
あたしだって嫌だけど、なにもできないし、証拠がなかったら犯人は捕まえられない。
だから…………
おとなしく時効が来るのを待つしかない。
あたしたちの間に妙な空気が流れる。
するとギギ……、とドアが開いた。
「なんだ、お前らここにいたのか」
「お父さん!」
入ってきたのは正広だった。
「すぐに来い。柏木を連行したから」
「「え!?」」
ウサギと同時に、同じ反応をした。
だが……柏木冬馬が捕まったって……
どうして…………?



