ピシッとスーツを着ていて、簡単に言えばできる女性。
少しつり目で髪がショートなのも、それっぽく見える。
「署長、お呼びでしょうか」
「ちょうどイイタイミングだ、田宮くん。この子たちを案内してくれるね?」
もう説明を通しているのだろう。
署長は主旨を話さずに続ける。
というかいつ連絡したのだ……?
「かしこまりました。お2人とも、ついて来てください」
あたしたちは彼女に言われるがまま、ついていく。
「失礼しました」
ウサギは律儀に挨拶をして署長室を出た。
そして連れてこられたのは、いわゆるコンピュータ室となんら代わりはない。
何台ものパソコンが並べてある。
しかし人がまったくいないが。
「では、私はこれで」
「あ、ありがとうございました」
説明もせずに行くのか。
まあやり方はそれなりにわかっているつもりだから問題ないが……
彼女は納得いかないのだろうな。
見ず知らずの素人、おまけにあたしのような子供にここを案内するようなことは。
彼女なりの小さな反抗なのだろう。
使い方に困ってしまえばいい、と。
しかし残念なことにあたしは困らない。
パソコンの前に座り、目当ての資料を探していく。
「やはりない、か…………」
これといった証拠は存在しないし、柏木冬馬が言っていたような“乱魔の人間”という情報もない。



