ウサギがいない中で行く意味はない。
それに、ウサギがいなかったらあたしが暴走しかねない。
「そう、か…………?」
てっきり行くと言うと思っていたのか、正広は戸惑っている。
「もっと決定的な証拠がないか、探してみようと思ってな」
だからそれっぽい理由を並べてみる。
「ならそっちは任せたぞ、知由。雪兎も!しっかりやれよ?期待してるんだからな」
正広の「期待してる」という言葉がよほど嬉しかったのか、ウサギは嬉しそうに微笑んでうなずいた。
たったその一言で機嫌が治るとは……
「それじゃ!」
正広は廊下を走っていった。
「よし、じゃあ行こっか、ちぃちゃん」
なんだか急にウサギらしくなったな。
まあ、こっちのほうがあたしもやりやすくていいがな。
「えっと、決定的な証拠を探すんだよね?だとしたらやっぱ資料室かなぁ……」
「当時捜査に当たっていた刑事に聞く、というのも1つの手だろう」
「じゃあ、僕が聞いて回るよ。資料室のほうはちぃちゃんに任せていい?」
「ああ」
するとウサギはよし、というように壁から離れた。
「また後でね」
ウサギはそう言ってどこかに行こうとした。
だが、あたしはそれを引き止める。
「ウサギ、誰が捜査員だったかわかっているのか?」
「あっ……」
すると一瞬動きが止まった。
頼れるウサギかと思えばこれだもんな。
さすがというか、なんというか。



