すると電気が戻り、あたりが明るくなった。
「あーっ!」
柏木冬馬が自分の左腕を見ながら叫んだ。
どうやら、盗まれたらしい。
「あの腕時計、ホントに大切なモノだったんです!それなのに……こんな子供に任せようとしていた僕がバカでした!もう自分でどうにかします!」
あーあ……
本当についてないな、今日……
「つまり、あなた1人で乱魔を捕まえると?」
なにもしゃべらないあたしの代わりにウサギが言った。
「違いますよ!僕は次からは自分で守るって言ってるんです!」
一般人になにができ…………
え?
今、聞き間違いでなければ、柏木冬馬は『次からは』と言ったか?
「どういうことですか?」
「これですよ!」
柏木冬馬はイラつきながら1枚の紙を見せてくれた。
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無能な警察に警備させるとは……
次は1対1で勝負しましょう
怪盗乱魔
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いつの間に……
「とにかく!もう、僕1人でいいので、ほっといてください!」
あたしたちは柏木冬馬に背中を押され、無理やり部屋を出された。
「ちょ、柏木さん!」
ウサギは納得がいかないというように、ドアの外から柏木冬馬を呼ぶ。
だが、一向にドアが開く気配がしない。
「ねえ、絶対におかしいよね……?」
「ああ。なにをもってあそこまで自信いっぱいに自分でできると言えるのか不思議でならんな」



