「それで、ちぃちゃんが欲しかった情報って?」


「犯人……いや、捜査状況についてだ」


「14年前なんでしょ?もう捜査なんてしてないんじゃない?それに、ちぃちゃんならハッキングで調べられたでしょ」



ウサギの口からハッキングすればいい的なニュアンスの言葉を聞くとは思ってもみなかった。


だが。



「パスワードが厳重だった」


「へぇー?」



ウサギは疑いの目を向けてくる。



「な、なんだ……?」



本心を見抜かれているのだろうが、しらばっくれる。



「ちぃちゃん、嘘はダメだよ。ただ面倒なだけじゃない?」



やはりバレていたか。



「まあ、どの道もう遅い。とりあえず犯人の目星はついていないし、捜査ももうしていないことがわかっただけで十分だ」



あたしはそう言いながら、散らかした資料を片付ける。



「じゃあ、もうやることないねー……」



その一言で、部屋が静寂に包まれる。



ウサギの言うとおり、乱魔が動かないことには、あたしたちはどうしようもない。




乱魔、お前は一体、これから何をしようとしている……?