「そんなに慌ててどうしたの?」
「いや、それだけ寝てたとは思わなくて……」
「そうだね。ちぃちゃんにしては珍しいくらいよく寝てたよ」
あたしはふと時計に目を向けた。
時刻は8時を過ぎるくらい。
ちなみに、夜だ。
「どうする、今から。もう寝れないでしょ」
「暗号の読解をする」
そう答えると、ウサギは嬉しそうに微笑んだ。
「無理だけはしないでね」
ウサギはあたしの頭をポンポンと叩いた。
「お父さんにその暗号のこと話しといたから。いつでも頼ってこいって」
なんだか最近ウサギが成長しているような気がする。
「ウサギ、ありがとう」
「気にしないで。僕にはこれくらいしかできないし。じゃ、頑張ってね、ちぃちゃん」
ウサギはそう言って微笑んだ。
そして、あたしの頭をなでた。
「子供扱いは嫌だ」
あたしはパシッ、とウサギの手を払う。
「む。ちぃちゃんは子供だよ」
数秒、睨めっこをする。
「べーっ!」
するとウサギが舌を出した。
……どっちが子供だ。
ちょっと変顔でもしてみるか。
「あははっ!」
と思ってやると、思いのほかウサギは笑った。
「ちぃちゃん可愛いっ!」
笑ったと思えばギューッ、と抱きしめてきた。
やはりウサギはウサギだな。



