「頭使う人には甘いもの、でしょ?だからチョコ。……いらなかった?」
これはウサギなりの気遣いというわけか。
「ありがとう」
あたしはパソコンをスリープモードにし、チョコを受け取った。
「それで、どう?」
ウサギはそう言いながらあたしの横に座った。
「どうとは?」
「調べごと、してるんでしょ?」
「まあな」
ウサギになんと言えばいいのか、迷う。
素直に乱魔についてと言うべきか?
だが、そう言ったら手段を聞いてくるだろう。
そこでハッキングとでも言ってしまえば、怒られる。
「ちぃ?」
それよりも先に勘づかれたようだ。
「乱魔について調べていたのだ」
「そう。で?」
これは調べた結果を聞いているのか?
それとも……?
「何かわかった?」
よかった。
結果のほうだ。
「まだそこまで細かいことはわかっていない。天才ハッカーが仲間についてるんだ。簡単にことは進まない」
「ちぃちゃんよりもすごいの?」
「おそらくな。そいつ自身の情報はすべて暗号化してあるし、乱魔について、重要なとこも暗号化」
「解かないの?」
「これを見てやる気になるか?」
あたしは再び立ち上げたパソコン画面をウサギに見せる。
するとウサギは顔をしかめた。
「……これ、なにが書いてあるの?」
「さあな。でも、ここまでされたらさすがにお手上げだ」