「ん?」
来た。
「おい、乱魔。なにやってるんだ?」
しびれを切らした乱魔の仲間が車から降りて来る。
「なあ、空海。ここに女の子がいんだけど」
……空海?
乱魔の仲間の1人は、空海なのか……?
空海といったら、世界の上位に入るくらいの能力を持ったハッカーだ。
そんな仲間がいるとは……
「あ?」
カツカツと足音が近付いてくる。
「いつの間に……」
よかった。
気付かれてはいなかったようだ。
あたしはホッと胸をなで下ろした。
「どうする?」
思いのほか、乱魔は落ち着いているようだ。
「どうって……」
空海のほうは動揺している。
「とりあえず連れて帰るか」
乱魔はそう言ってあたしを抱き上げた。
作戦成功だ。
そのまま車に乗せられる。
そして、意外と鋭いのか、彼らは車の中で一言も話さなかった。
すると隠家に着いたのか、車が止まった。
「俺が先に入って滋に説明してくる」
もう1人いるのか。
「あぁ、悪い」
空海はドアを閉める。
乱魔も車から降りる。



