「そうか。おとなしくしてろよ?」
その男はあたしの頭を叩いてどこかに行った。
……ムカつく。
今、絶対にあたしのことをバカにした。
後悔させてやる。
あたしはウサギの手の中にある資料を取り、食い入るように読む。
何度も、何度も。
そして──
「……ウサギ」
あたしは横にしゃがんでいるウサギの服を引っ張りながら名前を呼んだ。
「どうしたの?」
「少し本気を出してもいいか?」
「えっ……」
ウサギが目を見開いている。
……無理ないだろうな。
あたしが本気を出すということは、自分で話す、ということ。
「……わかった。時間ないし、早く説明して改善してもらわないとね」
雪兎はそう言って、あたしの腕を引いて、父親を呼んだ。
「お父さん」
呼ばれた父親は振り返り、あたしたちを見つけた。
「おー、雪兎、知由。どうした?」
「ちぃが本気出したいって」
ウサギは父親にそう耳打ちした。
「……ホントか、知由」
そう問いかけられて、あたしは首を縦に振った。
「いいだろう」
父親は刑事のほうに向き返り、指示をする。
「今からはこの子の指示に従え!」
……そこまで言わなくても。
それに、そんなふうに言ったら……



