【ねぇ、運命って信じる?】




「あーーーっ!?」



キィィィン!



その声は私の鼓膜を思いっきり貫通した。


なんていうか……



「……素晴らしすぎる声量だ羨ましい」

「いや、美紀。なんか違くね?」


美紀って、どこかズレてんだよな……。


「なぁなぁ!お前、美紀だろ!?」

「え?え?は?」


待って頭が追いつかない。


目の前に ずんずんと迫って来る
岡崎先生(?)は
何故に私の名前をいきなり呼び捨て?


いや、その前に……



「あの」

「いやー、ホント可愛いな♡」

「聞いてます?」

「もう岡さん、うっとり♡」

「聞けって」

「この小さくて可愛い手とか最高♪」

「……だから私の両手を
撫でるなぁぁぁっ!!」


このセクハラ野郎がぁぁぁっ!!


「……岡崎先生?そろそろ美紀ちゃんの手を
離していただけないでしょうか?」

「げっ」


やばい


やばいよヤバイよ


黙って見ていた健太が微笑んでる。


そう


「蒼井……不気味だぞ」

「誰がそうさせているんですか?ん?」



……不気味なくらいに。