天才怪盗が拾った少女



そんで、もちろん。


待てと言われて待つバカはいないんだよ。







「あ゛ぁー……疲れたぁ……」



俺は喫茶店の前に座り込む。



実質1年運動してなかったわけで。


俺の体力は激減。


結果、10分全力で走っただけで息切れ。


……運動しねぇとなぁ………



「いち、や……」



……海はもっと体力ないらしい。


俺以上に息切れしてんだけど。



「お疲れ、海」


……なんだかんだ言って息が整ってきた。


だから、普通に声をかけられた。



「お前、バカか?」



もういいよ、そのセリフ。


聞き飽きた。



「いや、お前らがバカなんだよ」



……あー、今1番聞きたくなかったよ、この声。



「三崎……」



どうやら車があったらしい。


俺と海以外の3人はそれに乗って戻ってきた。



「俺、こいつと同レベルか?」


「あぁ、十分同レベルだ」



そうして睨み合う海と三崎。



……ほらな。


混ぜるな、危険、だろ?



「もとはと言えば…………」



「「お前が悪い!」」



えぇぇぇ!?


2人合わせて俺を指差すなよ!


んでもって、矛先を俺に向けるな!