天才怪盗が拾った少女




ホントに終わったな……


なんか呆気ねぇ……


俺がやろうとしてたこととか、おいしいとこ、全部三崎に持ってかれた。


まあ、終わりよければ全てよしって言うし。



はぁ……


もうちょっといい復讐法、考えとくんだった。


柏木の大切なモノを盗むとか……



ガキかよ。


殺す、盗む以外になんかあったはずなのに……


俺ってバカだよなぁ………




すると、いつの間にか事務のとこに到着。



「あの、住吉警視総監呼んでもらえますか?」



俺は受け付けにいる女性に言う。



「ご予約の方でしょうか?」


「違うんですけど……乱魔と言えばわかってもらえると思います」



うん、嘘はついてねぇ。


しかし、俺の言葉を聞いて目を見開く彼女。


……そうなるよな、やっぱり。



「乱魔とはどういうことだ!?」



おぉー、聞き慣れた叫び声。



「やっほー、刑事さん」



俺は乱魔のノリで声をかける。



「!?」



やべ、おもしれぇぞ。



「君、成瀬優弥と咲の家族の……」


「あ、覚えててくれたんだ。いやぁ、あのときはドキドキしたよ。いつバレんのかってな」


「……バカにしてたのか」



うん、心の中でね。



なんて言ったら火に油を注ぐようなもん。


だって、住吉、すっげー拳握ってんだぜ?


下手すれば殴られるわ。


……避けるけどな。