天才怪盗が拾った少女





俺にそう言ってきたのは理由がつくとして、問題は『なぜ殺したか』だ。


15年前、柏木になにかがあった…?


まあ、なにかがないと親父は殺さねぇよな。


なにがあった…………



くそ、さっぱりわかんねぇ…………


15年前は俺、9歳だったし…………



でも、三崎は生まれてねーのに、わかってんだよな……


このまま三崎に聞くってのもなんか嫌だしな……



……………………聞くか。




「三崎……」


「なんだ?」



パソコンの画面から顔を上げた少女はどこか楽しそうだ。


やっぱやめるか?


でもこのまま考えててもキリねぇし……



「今度こそお手上げか?」


「………………あぁ。真相がわかってんなら、教えてくれねぇか?」


「教えて“くれねぇか”………?」



……なにが言いたいんだ、このガキは。


ちゃんと頼めってか?



「お前はなにが言いたいんだ」



それはこっちのセリフだボケ。


こんなガキ相手に……


丁寧に頼むなんて……



「どうした?知りたくないのか?」



あー、もう!


どうにでもなれ!



「もしよろしければ、真相を教えていただけないでしょうか」


「ふん。いいだろう」



三崎はそう言ってパソコンを閉じた。



……ムカつく。


8歳のガキだから、余計に。



「さて、一弥はどこまで考えた」


「柏木が俺に『犯人は乱魔の人間だ』って言ってきた理由くらい」