「お手上げか?」
すると、三崎が嘲笑っている。
……こうもバカにされると悔しいな。
おまけに相手は8歳というガキ。
「そう言うお前はなにかわかってんのか?」
「知りたいか?」
……またかよ。
そんなに焦らしてどうすんだよ。
それともただ楽しんでるだけか?
こんな状況で?
「……くそガキ」
「おい。なにか言ったか?」
「いいえ、なんでもございませんよ、お嬢様」
……くそが。
こいつってなんか海に似てるような気がする……
一緒にはさせたくねぇな。
混ぜるな、危険ってやつだ。
「で?もうお手上げか?」
「うっせぇな。今考えてんだよ」
嘘だけど。
「ではもう少し待つとしよう」
三崎はそう言ってパソコンで遊び始めた。
今までの、少しまとめてみるか。
親父と咲が殺されたのは15年前。
自宅で刺殺。
凶器は家にあったナイフで、指紋は綺麗に拭き取ってたらしい。
事件から8年後、偶然柏木と出会った。
そこで『犯人は乱魔にいた人間だ』ということを聞いた。
ん?
これだと俺に『犯人は自分です』って言ってるようなもんだよな?
柏木は捕まえて欲しかったってことか?
いや、違う。
俺をバカにしてたんだ。
俺みたいなガキにはなにもできないだろう、だからヒントをやろう、的な感じで。
そう考えると、つじつまがあう。



