親父だけじゃなくて、咲まで殺さなければならなかった理由。
親父が信用してた仲間たちを疑うなんてことはしたくねーけど、ここまできてそんなこと言ってらんねぇ。
なにがなんでも見つけてやる────
「一弥、見つかったぞ」
海にそう言われたのはあれから10日後。
思ってた以上にはやかった。
「マジ?お疲れ」
そして、海が持っていた資料を受け取る。
「……は?」
資料に目を通し、最初の一言はそれだった。
でも、それ以外の言葉が見当たらなかった。
「嘘だろ………」
そこに書いてあった人物の名は──
柏木冬馬



