「何してんの?」 考えるより先に、話しかけていた。 自分の声に少し驚く。 あたしの声で振返った彼の顔には、もっと驚いた。 なんで? なんで泣いてんのよ? 「海を見てるんだよ」 あたしの驚きなんて、気にもとめない様子で、彼はサラッと答えて、また海の方へと向きなおす。 心臓が、 バクバクしていた。 我に返って、どうしようと思う。 自分から話しかけたこともあって、このまま放っておくのも、気が引ける。 とりあえず、彼の隣に腰を下ろした。 彼はあたしを見ない。