それはきっと37℃の





どうしてかな?




彼の顔を覗き込む。

風に吹かれて流れる髪を左手で押さえながら、そっと顔を近づける。


波の音に、心臓の音が重なって響いていた。




どうしてかな?

彼にキスをしたのは。




――同じ自分も気づいたら居なくなってて……、変わりたくなんかなくっても。




ゆっくりと、彼の頬からくちびるを離して、彼の髪を撫でた。

彼があたしにしてくれたように。




それからまた、さっきまで、そうしていたように、彼の隣に寝そべって目を閉じた。


まぶたの裏で滲んだ涙の色は、どこまでも深い碧だった。