それはきっと37℃の

彼の隣で、砂浜に身体を投げ出して、寝そべってみた。


「熱い……」


背中に、砂の熱さを感じる。

じわりと身体に汗をかく。


不思議だった。

潮風が、とても心地よかった。


「もっと海を感じてみれば」


彼がそう言いながら、あたしの髪を撫でてくれる。


「うん」目を閉じて、波の音を聴く。


さっきまでとは違う感覚。


寄せては返す波の音に揺られ、そのリズムの中に、あたしの身体が溶けていく。

壮大で繊細なオーケストラに酔う。




ああ、あたしは生きてるんだ。

だって、ここは、こんなにもこの心は……。


あたしは、どこまでも気持ちが優しくなっていくのを確かに感じていた。