「じゃあ、これからは何かが変わる?」
「さあ、どうかな」
「何それ……。それに、あんたの方がリスク大きくない?」
あたしは、ふてくされている小さな子供みたいだ、と自分で思った。
「たぶんね、歳を重ねれば重ねるほど、見返りは小さくなるんだよ。だから大人は皆、しがみ付くんじゃないかな。今より悪くならないようにって。変わることより、変わらないことの方を望むんだ」
そう言ってから、彼は静かに目を閉じた。
「本当はさ、同じ時間なんて一秒だってないはずなんだけどね。同じ自分も気づいたら居なくなってて……、変わりたくなんかなくっても」
彼の声はとても寂しそうに小さくなって、風の中に消えていった。
彼の言葉をギュっと抱きしめる。
そうだ、きっと気づかないだけで。
通り過ぎた時間は、二度と戻らないって知っているのに。
止まった時間の中で生きてるわけじゃないのに。
どうして、同じ毎日だって思ってしまうんだろう。
「さあ、どうかな」
「何それ……。それに、あんたの方がリスク大きくない?」
あたしは、ふてくされている小さな子供みたいだ、と自分で思った。
「たぶんね、歳を重ねれば重ねるほど、見返りは小さくなるんだよ。だから大人は皆、しがみ付くんじゃないかな。今より悪くならないようにって。変わることより、変わらないことの方を望むんだ」
そう言ってから、彼は静かに目を閉じた。
「本当はさ、同じ時間なんて一秒だってないはずなんだけどね。同じ自分も気づいたら居なくなってて……、変わりたくなんかなくっても」
彼の声はとても寂しそうに小さくなって、風の中に消えていった。
彼の言葉をギュっと抱きしめる。
そうだ、きっと気づかないだけで。
通り過ぎた時間は、二度と戻らないって知っているのに。
止まった時間の中で生きてるわけじゃないのに。
どうして、同じ毎日だって思ってしまうんだろう。


