うっかり姫の恋 〜部屋の鍵、返してくださいっ!〜

 浮気じゃん、と言って笑っている。

 いや、笑うとこか、そこ?

 平和な主婦には、なにもかもが、面白いらしく、いや、困ってるんですけど、と思っているのに、
『帰ったらゆっくり聞かせて』
と言って、勝手に切ってしまった。

 み、未里さん……。

 いろいろ弁解させてください……。

 そういえば、付き合ってないって話も言いそびれたし、と思っている横から、
「ほら」
と了弥が珈琲を出してくる。

 うう。
「ありがとう……」
とそれを受け取った。

「もう冷ましてあるからな」
と意外に至れり尽くせりな了弥が言うので、もう一度、

「ありがとう……」
と言い、なるほど、少し冷ましてあるそれを飲んだ。