うっかり姫の恋 〜部屋の鍵、返してくださいっ!〜

「ありがとう」
ともう一度言い、電気を消した。

 うん。
 大丈夫。

 了弥が近くに居てくれて。
 なにかあったら、駆けつけてくれるってわかってるから。

 だから、安心して眠れる。

 あのときも了弥が助けに来てくれてたらな、と思ったあとで。

 ……いや、そうでもないか、と思った。

 助けて欲しいとか思ってなかった気がする。

 封印していた記憶が蘇りそうになり、また慌てて、蓋をしてしまう。

『お前みたいな貞操観念の強い奴はいき遅れるぞっ』
 ふと、大学のとき仲良かった男の子に吐かれた暴言を思い出す。

 深く考えないようにしてたけど。

 なにゆえ、私はあのような行為に及んだのか?

 自分から?

 相手から?

 望んで?

 無理やりか?

 自分が望んでというのはちょっと考え難い気もしたが、もし、無理やりではなく、両思いでそうなったのなら、ケロッと忘れている私はひどすぎるな、とちょっと思った。