うっかり姫の恋 〜部屋の鍵、返してくださいっ!〜

「え、いや、別に、それより早くてもいいけど?」
と言うと、神田は苦笑し、

『うん。
 いや、いいよ。

 日曜の方がゆっくりできるしね。
 ごめんね。
 夜遅くに。

 おやすみ』
と言って、電話を切った。

 なんなんだろうな、と思いながら、スマホを置いた。

 よくわからないけど。
 別に他の日でもいいんだけどな、と思いながら、、布団に潜ろうとした瑞季は、わっ、と声を上げる。

 薄く開いた扉から、誰かがこちらを覗いていたからだ。

「……り、了弥?」

 すぐに扉が開いた。

「なにしてんの?」
と言うと、

「いや、……今日は、うなされないのかなと思って」
と言う。

「あ、心配してきてくれたの? ありがとう」

 そう微笑むと、罰が悪そうに、いや、別に、と言ったあとで、

「じゃあ、なにかあったら、呼べよ」
と言って行ってしまう。