うっかり姫の恋 〜部屋の鍵、返してくださいっ!〜

「いやいやいや。
 了弥が淹れてくれるって言ったんじゃないっ。

 別に見られてまずいメールでもないしさ」

 っていうか、あんたと付き合ってるわけじゃないから、関係ないだろが、と思っていた。

「はい」
とメールを見せようとすると、了弥は顔を背ける。

「俺は人様のメールを勝手に見るようなことはしないの」

 いや、今、見たじゃん、と思っていると、
「お前も俺からのメール、人に見せたりするなよ」
と言ってくる。

「別に見せないよ。
 見せたくなるような内容でもないし。

 ま、見せてまずい内容でもないけどさ」

「……人に見せて、自慢したくなるような内容で打ってやろうか」
と了弥は顔を近づけ、言ってくる。

 顔、近いっ、と思いながら、赤くなって後ずさり、
「じゃあ、今から打ってみて。
 人に見せたくなるようなメール」
と言うと、

「待て。
 今、考えるから」
と言う。

「なによ。
 なにも考えてなかったんじゃんーっ」
とその肩を引っ張った。

「やめろ、脱げるだろうがっ、痴女っ」
「誰がよっ」