うっかり姫の恋 〜部屋の鍵、返してくださいっ!〜

「ほんとに当たるみたいだな。
 怖いだろ」

 いろいろ追求されたくなかったら、二度と会うなよ、と言ってくる。

「遠藤とか、自分の気に入った子とあいつを会わせたくないと言っている。
 余計なことを教えてくれるから」

 そう了弥が言うのを聞いて、実は、ちょっとほっとしていた。

 なんだ。
 普通に同期と話してるんじゃん、と思って。

 入社当時はよく一緒に呑んだりしていたが、みんな、仕事が忙しくなって、なかなか会えなくなっていたから、今の了弥が、彼らとどう接しているのかよくわからなかった。

 だから、笙の話を聞いて、ちょっと不安になっていたのだが。

 まあ……安西くんが、どういうスタンスで了弥と話しているのかはよくわかったけど、と思ったあとで、おっと、笙くん、か、と頭の中で訂正する。

「ねえ、DVDもう一回見る?」
と訊くと、

「いや。
 見たら、また続きが気になるから。

 っていうか、あの主役の俳優の顔、何処かで見たことがあるんだよな」
と言ってくるので、

「あ、今、刑事もののドラマとかに出てるよ」
と言うと、

「いや、そうじゃなくて、誰かに似てるような」
と言い出した。

 お前だよ、と心の中で、思う。