うっかり姫の恋 〜部屋の鍵、返してくださいっ!〜

 やっぱり、彼が教師というのは、ピンと来ない気がしてきた。

 子供の頃接した小学校の教員に見られた純朴さが彼にはない。

 なんだかヤバイ匂いしかしない。

 あの一見、爽やかそうな笑顔がその印象を助長していると思うのは自分だけだろうか。

「それにしても、神田くん、そんなことして、なにが楽しいのかしら。
 って、きっと、私をからかってるだけよね?」
と言うと、まあ、そんなところじゃないか? と了弥は言ってくる。

「まあ、もうその神田って奴にも会うこともないだろ。

 ちょっと調べて気が済んだろ。
 この話は此処で終わらせろよ」
と言うので、

「いや、それは無理」
と言うと、

「なんでだ?」
と睨んでくる。

「だって、日曜日、神田くんと、また会う約束しちゃったから」
と言うと、なんでだ? と顔を近づけ、また訊いてくる。