うっかり姫の恋 〜部屋の鍵、返してくださいっ!〜

 


 もう一口、ビールを呑んだあとで、神田は言ってきた。

「いやー、なんかそんな気はしたんだよ。
 一昨日の態度からギャップがあるっていうか。

 ちょっとよそよそしかったからね」
と。

 すみません。
 私、一昨日はどんな態度だったんでしょうか……。

 ちょっと訊くのが怖い、と思っていた。

 もんじゃを焼くのは初めてだったので、結局、ほとんど、神田にやってもらった。

「いい匂い」
と呟くと、

「余裕だねえ、相楽さん」
と慣れた手つきでもんじゃを焼きながら、神田は言ってくる。

「同窓会のときの記憶、まるっとないんじゃないの?
 自分がなにやらかしたか覚えてないのに、食欲はあるんだね」

 うっ……。

「ま、まるっととは言わないけど。
 正直言って、神田くんが来た辺りの記憶はないのよ。

 だから、電話番号交換したのも覚えてなくて」
と言うと、

「交換なんてしてないよ」
と神田は言う。

 は?