うっかり姫の恋 〜部屋の鍵、返してくださいっ!〜

 



 あ、メールだ。

 神田が教えてくれた店は、なるほど自分好みの書店だった。

 ゆっくりと店内を周り、棚を眺めていた瑞季は、了弥からかな? と思い、スマホを見た。

 だが、それは、神田からだった。

『もんじゃ焼きとかどう?
 ビールに合うよ。

 近くに美味しい店があるんだ』

 うっ。
 今、酒はっ、と思ったのだが、どのみち、昨日も呑んでしまっている。

 ……もんじゃにビール。

 ま、まあ、いいか、とこういう誘惑には弱い瑞季は、

『もんじゃ焼き食べたことないから、食べてみたい』
と打ち返していた。

 すぐに返事が来たと思ったら、そっちは了弥だった。

 なんか恋人同士のやりとりみたいだな、と了弥からのメールを見て、赤くなったあとで、神田から返信が入ってきた。

 あと少しで終わるようだった。

『じゃあ、そこで待ってて』
と言う。