うっかり姫の恋 〜部屋の鍵、返してくださいっ!〜

 



 了弥が会議室に行こうと廊下に出たところで、スマホにメールが入った。

 ん? と確認すると、瑞季からだった。

『神田くんとご飯食べてきます。
 了弥はどうするの?

 鍵屋さん、連絡ついた?』

 自分が知り合いの鍵屋に、瑞季のマンションの鍵を付け替えてくれるよう頼んでおくと言ったからだろう。

 あのマンションは瑞季の兄夫婦のものらしく、鍵を付け替える話はもうしてあるようだった。

 だから、あとは、鍵屋の手配だけなのだが。

『今日は遅くなるから、さっき、コンビニで買って軽く食べた。
 早く帰れよ。
 物騒だから。

 遅くなるようなら、連絡しろ。
 迎えに行くから』
と入れた。

 ……なんか夫婦か、恋人同士の会話みたいだな、と打ち返しておいて、ちょっと照れてしまう。

「真島、行くぞ。
 どうかしたのか?」
と可愛がってくれている本部長が声をかけてくれる。

 はい、とスマホをポケットに入れた。