「じゃっ、課長っ。
 お先に失礼しますっ」

 五時半過ぎ、提出すべきバインダーを叩きつけるように了弥の机に置き、瑞季は言った。

「どしたの?
 瑞季、なんかあるの?」
と先輩社員に訊かれる。

 了弥は、まあ、せいぜい頑張れ、というように見送っていた。