うっかり姫の恋 〜部屋の鍵、返してくださいっ!〜

 本当にうっかりだ。

 私だけじゃない、了弥もだ。

 そんな私たちの最大のうっかりは、相手が自分のことを好きじゃないんじゃないかと疑ってしまったことだ。

 ただ一言、口に出して訊けば、それで終わることだったのに。

 随分と回り道してしまったな、と思いながら、近所の家の上に瞬く星を見る。

「だって、了弥、モテるしさー」

 ぼそりとそんなことを呟くと、
「なんか言ったか?」
と言われる。

 ううん、とその頭にまた、頭を寄せた。

 なに言ってんだ、このバカップルが、と今のを聞いていたら、朝日と神田が冷ややかに言いそうだな、とちょっと思った。