うっかり姫の恋 〜部屋の鍵、返してくださいっ!〜

「相楽さん、もう一杯どう?」
と神田が訊いて、了弥がもう呑ませるな、と言っていた。

 いや、酔いたい。

 今日ばかりは……。

「あれっ?
 じゃあ、あんたをお持ち帰りしたのって、佐藤くんじゃないの?」

 こっちの、と了弥を指差す。

「じゃあ、なんにも問題ないじゃん」

 まったくですよ。

 それが本当ならね、と思っていると、朝日が肩をつつき、それを見せてきた。

 あの予備と書かれたプレートのついた鍵だ。

 目の前にぶら下げられる。

「あれっ?」
とそれを手に取った。

 プレートは確かに自分のだが、鍵は似ているが違う。

「僕が持ってるの、この予備のプレートだけだよ。
 鍵はたぶん、了弥が持ってる。

 まあ、その辺の事情は、僕の口から話すことじゃないよね。

 本当は、昨日、君が寝てる間に、鍵もコピーしちゃおうかなと思ったんだけど。

 鍵の先端が同じより、形が似てる方がいいかと思って、やらなかったんだよ」

 合鍵作ったとき、鍵の持ち手の形は全然違ったりするから、と言う。

 道義的な意味合いで作らなかったんじゃないのね……と思いながら、その言葉を聞いていた。