まあ、いいから呑もうと、頭の上で、神田が言い、了弥が普通に酒を頼み、薄情な男どもは勝手に、頭の上で宴会をやっている。

 そ、そうだ。
 思えば、最初からいろいろと……。

「私も呑むっ」

「あ、起きてきた」

「禁酒するんじゃなかったの?」

「っていうか、それ、ウーロンハイだよ」

 えっ? とみんなが朝日を見る。

 さっき、トイレに立ったとき、注文間違えたって言ってきた、と言う。

「……来てよかった」
とこちらを見ないまま、了弥がぼそりと呟いていた。