うっかり姫の恋 〜部屋の鍵、返してくださいっ!〜

 



 了解、と神田は言ってくれた。

 備品倉庫の片隅で、瑞季は溜息をつき、冷たいスチール棚に背を預けた。

 確かめよう、今度こそ、と思っていた。

 だが、一人で確認する勇気はなかった。

 未里やエレナたちに確認してもらったら、その場で、いや、この話をした時点で大騒ぎしそうな予感がするし。

 他の友だちに一からしゃべるとか、考えただけで、目眩がしてくるし。

 悩んで、結局、神田に頼んでしまった。

 絶対に当事者でなく、最も冷静そうだったからだ。

 よしっ。
 今度こそっ。

 どんな結末が待ってたとしても、絶対に向き合おうっ、と瑞季は覚悟を決めた。

 そして、二度と深酒はしないんだっ。

 いや、禁酒するっ。

 そう覚悟を決めて、倉庫のドアを開けたとき、目の前に大きな人影があった。

「おっと。
 あれ? 瑞季ちゃん」

 笙だった。

 そういえば、この人も絶対に当事者ではない、と思ったが。

 ……騒ぎそうだな、エレナたちと同じで、と思う。