うっかり姫の恋 〜部屋の鍵、返してくださいっ!〜

『防犯カメラを確認しろって朝日くんが言うの。
 自分が映ってるはずだからって』

 時間まで指定してきた、と言う。

「それ、はったりかもよ」

 そこまで言われたら、人は疑わない。
 そう朝日なら計算していそうだからだ。

 だが、瑞季は違った。

『わからないから、確かめてみたいの。

 管理人さんにはもう連絡したわ。
 もし、都合が合えばでいいんだけど。

 あの……ごめんね。
 ちよっと一人で確認するの怖くて』

 そう言いながら、ちゃんと了弥がまだ帰れなさそうで、自分が合わせられそうな時間帯を指定してくる。

 苦笑いするしかなかった。

「了解。
 頼ってくれて嬉しいよ」
と言って切る。

 ……でも、そういう話に誘ってくるってことは、僕は完全問題外なわけね、とも思っていたが。

 それにしても、朝日、なに考えてんだかな。

 ああ言えば、相楽さんがショックを受けて確かめないと、本気で思っているのだろうか。

 スマホを手に、朝日にかけてみようかと思ったが、自分が訊いても、きっと、答えないだろうな、とも思っていた。