うっかり姫の恋 〜部屋の鍵、返してくださいっ!〜

 



 さて、どうしようかな。

 昼休み、テストの採点をしながら、神田はいろいろ思いを巡らせていた。

 普通の職場とは昼休みの時間が少しずれているが、ちょうどいい感じで、瑞季からかかってきた。

『神田くん』
となにか言いかけた瑞季の言葉を塞ぐように言う。

「あれだけ言ったのに、僕に内緒で、朝日と連絡取って、拉致監禁されてたんだって?」

 さすがに拉致監禁のところは声のトーンを落とし、話しながら職員室を出る。

『ごめんなさい。
 すぐに終わる話だと思ってたの。

 あの夜の相手、朝日くんだったの?
 違うよって』

 朝日はそんな簡単な相手ではない。

 それにしても、朝日くん、か。

「ねえ、相楽さん。
 僕のことも名前で呼んでよ」
と言うと、なにか真面目な話をしようとしていたらしい瑞季が、は? と言う。

 朝日に新しい彼女が出来るのは悪いことではないが、相楽さんはやめて欲しいな、と思っていた。