うっかり姫の恋 〜部屋の鍵、返してくださいっ!〜

「あ……
 す、すみません。
 真島課長」
と瑞季は謝り、慌てて俯き、キーボードを叩き出す。

 なんなんだ? という顔で見ている者、ニヤニヤ笑って見ている者、いろいろだ。

 莫迦……と心の中では、少し笑いながらも、素知らぬ顔をしていた。

 この騒動のすべてを彼女一人に押し付けるように。

 まあ、このくらいの嫌がらせは許されるだろう。

『すごいよ、相楽さん。
 なにもせずに一晩で、どうやってあの朝日を籠絡したんだろうね』
という神田の言葉が頭に残っていた。

 物凄く嫌な予感がするのだが、気のせいだろうかな、と思っていた。

 スマホを見たが、当たり前だが、朝日からの着信はなかった。