うっかり姫の恋 〜部屋の鍵、返してくださいっ!〜

 



「あー、今日は朝から幸せだった。
 紅茶も美味しかったなー。

 あのブランドの紅茶、ああいう普通の紅茶も美味しいのね」

 今度買おうっと、と朝日の車で機嫌よく言うと、
「……なんか、普通の朝だね」
と朝日は言ってくる。

「え? 全然普通じゃないよ。
 最高だよ。

 朝から、たっぷり食べられて」

 いや、そうじゃなくて、と朝日は言う。

「絶対、今朝は君に罵られると覚悟してたんだ。
 君から電話があったときから。

 それがなんでこうなるわけ?」

「なにか罵られるようなことする予定だったの?
 ああ、薬盛られたか……」

 でもよく考えれば、ぐっすり眠れた以外に実害もないし。

 いや、待て。
 キスされたんだったな、そういえば、と今頃になって思い出す。

 やはり、薬の影響でぼんやりしていたのかもしれない。