うっかり姫の恋 〜部屋の鍵、返してくださいっ!〜

「いや、本当に」
と言うと、

「それはそれで、あいつ、問題ない?」
と何故か訊いてくる。

「いや……でもまあ、そんな話はしたことないわ」

「そう?
 でも、少なくとも、僕の目にはそう見えたよ」
と朝日は言ってくるが、いつ見たんだ? と思っていた。

「ともかく、了弥に恨みがあるのはほんとだよ。
 だから、君を此処にとどめて、あいつを心配させてやろうと思ったの。

 君が僕のことを好きになってくれれば、なお、言うことないんだけど」

「いや、佐藤くん。
 それで、私に付きまとわれたりしたら、どうするの?」
と言うと、

「さっきの電話。
 梶原未里だろ?」
と言ってくる。

 あれっ? 聞こえてた? と苦笑いすると、
「あいつ、いつかしゃべると思ってたんだ」
とあの冷淡な口調で言う。

「僕の自由を阻害したら殺すって言ったんだって?」
と言うと、ああ、と朝日は言った。

「結構、あの子のこと気に入ってたから。
 僕、女の子にのめり込むの嫌なんだよね」

「そりゃ……意外にいい話ね」
と言うと、何処が!? と訊き返される。

「だって、それだけ未里が好きだったってことでしょ?」