うっかり姫の恋 〜部屋の鍵、返してくださいっ!〜

 意外に、香月さんの言いつけ守ってるし。

 そういうところがあるから、彼も信頼しているのだろう。
 本当のところ。

「佐藤くん、今、了弥がどうとか聞こえたんだけど」
と言うと、朝日は、これ以上ないくらい渋い顔をする。

 スマホを机の上に投げて言った。

「……僕と了弥と神田と香月は大学のサークルで一緒だったんだ。

 学部が違うから、キャンパスも違ったけど。

 気が合って、暇なときは、いつも一緒だった」

「なんのサークル?」

「なんだったかな?
 山とか壁とかたまに登ってた気が。

 でも、僕らはほとんど、飲み会にしか顔を出さなかったから」

 あー、大学のサークルでありがちな展開だな、と苦笑いする。

「もしかして、了弥になにか恨みがあって部下の私を監禁してるとか?」

「部下?
 面白いこと言うね、相楽さん。

 部下なんか誘拐してどうすんだよ。
 了弥が君のこと好きだからだよ」

「……それは初耳だわ」
と言うと、またまた、と言われる。