うっかり姫の恋 〜部屋の鍵、返してくださいっ!〜

「香月さん、ありがとうございます。
 助かりました」
と言うと、朝日が、あっ、こらっ、という顔をする。

「大丈夫ですよ」
と溜息まじりだが、そう言った。

「佐藤くんは、ちゃんと貴方の言いつけを守ってますよ、意外にも」

「意外にもは余計だよ」
とかばってやったのに、横で文句を言ってくる。

『ほんとに?
 そこからが難しいなら、俺が了弥に連絡とってやるけど?』
と香月が言ってきた。

「は? 了弥?」

 貸してっ、と朝日にスマホを取り返される。

「香月っ。
 なに余計なこと言ってんだよっ」

 二人はちょっと揉めて、朝日が一方的に電話を切った。

 なんだかわからないが、おばあちゃんがどうとか言って、香月を脅したあとで。

 だが、彼が何処にも通報しないのは、それでではないとわかっていた。

 確かにこの人、変かもしれないけど。

「なんだよ?」
と朝日は、こちらを振り向き、睨んでくる。